空をなくしたその先に

「ディオ君、責任はちゃんと取ってね」


窓から放り出される、折り畳まれた紙。

それを器用に空中で受け止めて、ディオは開く。


「懐かしいな、これ」


広げた紙に書かれた、今より少し幼い文字。

あの頃使った偽名とともに。


「イヤになっちゃうわね、こんなもので責任取らせようだなんて」


慌てたようにダナは手をふる。


「ほんとにね、責任とか考えなくていいから」

「責任、ね……取るかどうかはゆっくり考えることにするよ」


むかっとした顔のダナを引き寄せてキスをする。

顔を見合わせて、二人そろって笑いだしてしまう。

久しぶりの再会も深刻にはなれないようだ。

一度はなくしたと思った空。

その向こうにあるのはきっと平坦な道ではないけれど。

きっと二人なら乗り越えていけるはず。

ダナに向かって手を差し出す。
つないだ手は温かかった。

あの頃と同じように。