空をなくしたその先に

信頼できる相手でさえありさえすれば。

見合いの席につくたびに、相手の目の中に打算的な色が見え隠れしているのがわかってしまう。

そのたびに空へと連れ出してきた。

せめて一緒に飛べる相手であれば、信頼できるかもしれないと願いをこめて。

その願いが叶えられたことは一度もない。

ダナのカップが空になる。

お礼を言って、立ち上がりかけた時だった。


「お前またやっただろ!」


ダナを見つけて、窓越しにビクトールが叫んだ。


「何もしてないってば!」

人の家の窓をはさんで、父娘喧嘩になりかける二人の間にミーナが割って入った。

「ビクトール様、そろそろ諦めたら?

もうこの娘結婚しているんだもの。

相手連れてきて責任取らせた方が早いわよ」

「結婚なんてした覚えないわよ!」

「駆け落ちしたくせに」


にやにやしながらミーナは一枚の紙を取り出し、二人の前に広げて見せた。