空をなくしたその先に

乗り気ではないどころか、遊覧飛行名目で見合い相手を乗せ、戦闘時と同じような飛び方をしてみせる。

泣いてもわめいてもやめない。
結果、全ての相手から丁重にお断りをされて現在に至っているのである。

「心配なのでしょ。

順番からいけばビクトール様の方が先に逝くのだから。

まあ……あなたが撃墜されれば別だけど、当分大きな戦は起こりそうもないでしょ。

それに人生一人より二人の方が、楽しいことも多いものね。

私もそうよ。亭主があんななのでも」


あんなの呼ばわりされたミーナの夫は、別の軍用艦で任務に出ているため今日は留守にしている。


「そんなものかしら」


ダナはカップに視線を落とした。

揺れるお茶にうつる自身の顔が見返してくる。

結婚してもかまわないのだ。

制度そのものを拒否しているわけではない。