空をなくしたその先に

ダナは、三代目のリディアスベイルの名をもらった軍用艦をクーフへとつけた。

その名は不吉だと反対したのだが、ビクトールはよほど気に入っているらしい。

初代二代目と違って、三代目は、四年の間たいした損害もなく航行している。

今回も空賊とは交戦にはならなかったから、艦の損傷はなかった。

整備士たちにあとをまかせて艦をおりる。

彼女はちらりと空を見上げた。
夕刻にはまだ間がある。

夕食前に子どもたちを乗せて、飛んでくるくらいの時間はありそうだ。

ビクトールに命じられて艦長として軍用艦に乗り込むことも増えたが、

戦闘機で飛び回る方が好きだ。
以前と変わらず。


「ダナ、待って!」


家へ戻ろうと歩いていると、女性の声に呼び止められた。

呼び止めた女性は、両手にたくさんの本を抱えていた。