空をなくしたその先に

ちょうど出てきた艦長らしき人物は、真っ赤な髪の持ち主だった。

忘れたことのない鮮烈な色。

ディオに気づくことなく、その人は甲板を横切って格納庫へと消えていく。

故障したメレディアーナ号はセンティアへと戻った。

修理が終わるまでは出航できない。

乗客は別の船への乗船を希望するか、
乗船を取り消すかの判断をその場で行い、ディオは乗船を取りやめた。

アーティカがここにいるのならば、国に戻る必要はないのだから。

下船したディオは、アーティカの駐在している場所へと足を向けた。

身分証をしめしただけでビクトールへの面会は、あっさりと許可された。

元雇い主という経歴は、十分信頼に値するようだ。

ディオは海面すれすれのところにおろされている飛行島へと、地上から斜めに渡された板をのぼって行く。

再会を期待しながら。