空をなくしたその先に

「君は幸せになれ。あっちでヘクターに会ったら、君は幸せになりそうだって伝えておくよ。
俺とあいつじゃ行き先が違いそうだけどな」


どこか憎めない、人好きのする笑顔を浮かべてフレディは言った。


言葉が終わるのと同時に、ダナを突き飛ばす。

ディオの方へと。

よろめくダナを抱き止めようとディオが飛び出した。

二人の視線がフレディから離れる。

自分を受け止めようとするディオにダナは叫んだ。


「あたしじゃない!あの人を止めて!」

積もった雪をものともせず、フレディは柵を一気に飛び越えていた。

柵の向こう側から、二人に笑いかける。


「フレディ、だめだ!早まっちゃいけない!」


ディオの声に返ってきたのは、ただ笑う声だった。


「反逆者の息子は反逆者ってことさ。ひっそり処刑されるのなんてごめんだ」

「処刑なんてしない、させない!僕が!」

ダナの肩をつかんだまま、ディオは叫ぶ。