空をなくしたその先に

「君の父親はフィディアス・シルヴァースト。

僕の父の末の弟。

反乱を企てたために、王位継承権を剥奪された人間だ」

「嘘つけ!そんな証拠がどこにある!」


だん、と足をふみならしてフレディがわめく。

信じていたものがゆらいでいく。


「直接的な証明にはならないだろうけど……フレディ。

父は君が生まれる一年以上前から、女性には手をふれていない……どころか部屋には使用人さえ入れなかったはずだよ」

「そんなでたらめを……」

「でたらめなんかじゃない。

君が生まれる一年前から、父はルイーナで療養生活を送っていたんだ。結核で」


宣告された病名に、思わずフレディは息を飲んだ。


十分な療養を行えば完治しない病ではないが、他人に感染させないよう、発病した場合には隔離されるのが通例だ。


亡き王の性格を考えれば、必要以上に他人を近づけなかったことはフレディにも予想できた。
凡庸と見せていて、けれど常に周囲には気を配っていた人だったから。