空をなくしたその先に

「彼女にあてないで俺だけを撃てるか?お前の腕で」

「あたしにかまわないで撃って!」


ダナを盾にするフレディに、銃をかまえたディオの手がゆらぐ。


「権利を奪われたのは俺の方だろ?

俺の方が先に生まれたというのにな!」


コートのポケットから、フレディも銃を取り出した。

二人は互いに銃を向け、安置所の中でにらみ合う。


「ディオ!早くして!」


どちらもダナの声など耳に入っていないようだった。


「違うよ、フレディ。最初から君に権利なんてなかったんだ。
君は僕の兄じゃない」


銃にかけた指がふるえる。

その指をなだめながら、ディオは続けた。


「苦し紛れの言い訳か?

俺の母親は、お前の父親の寵愛を受けていたんだぞ?

先に生まれたのは俺だ」


あざ笑うフレディの耳を打ったのは、ディオの告げた名前だった。