空をなくしたその先に

まさかビクトールと一つベッドで寝ていたわけではないだろうな、
と一瞬不謹慎な考えが、ディオの脳内を横切る。

いくら何でも年が違いすぎる、とすぐに打ち消したが。

ディオの開いた扉の前まで来て、ビクトールは足をとめた。

追ってきたダナに、ディオをしめす。


「ダナ。おまえは坊やを連れて脱出するんだ」

「私は……信頼されていないということですか?
私だって、戦えます」


ビクトールをにらむようにして、ダナは返した。
碧玉色の瞳が、輝きをます。


「そうじゃない」


ビクトールは首をふった。


「信頼できるのがおまえだけだからだ。

おまえには説明してなかったが、そこの坊やは、大切な書類を持っているんだ。

それを敵の手にわたすわけにはいかない。

そう言えばわかるだろ?」

「でもっ……」