空をなくしたその先に

「悪いな。じゃまして」


少しも悪いと思っていない口調で、ダナを受け止めたフレディはディオに手をふった。


「いつからいたの?」

「雪、のあたりから」

「見てるくらいならもっと早く声かけなさいよ!」


背中側から両肩をフレディにつかまれたまま、

ダナは上半身をそらせるようにしてフレディをにらみつける。


「悪い悪い。初々しいなー、とか思ってたら声かける隙がなくってさ」


やはりまったく悪いと思っている様子はない。

ようやく気を取り直したディオに、フレディは真面目な声になって言った。


「ディオ。お前は先に戻れ。俺とダナはもう少し時間つぶしてから行くから」

「何でだよっ」

「お前考えてもみろ。

留学切り上げて戻ってきて、数ヶ月すれば国王様だ。

今国中の貴族たちが娘を嫁がせたい男だぞ?

ビクトールみたいな新興貴族の養女と姿くらまされて、やつらが楽しいはずがないだろ」