空をなくしたその先に

元をたどればセンティア王家につながる家とはいえ、

エレノアは外国の王室に嫁ぐことができるような身分ではなかった。

とはいえ出産が可能な年齢で、なおかつ五十間近の男に嫁ぐことを辞さず、

過去に出産した実績がある、という女性の王族はその頃のセンティアにはいなかった。

国王は世継ぎを作ることがなにより大切だ。

ディオゲネスには弟が二人いたが、
直系の血を残すことができるのとできないのでは大きく違う。

ディオゲネスは確実に子をなすことをできる女性を望み、

センティア側としては、他の国とマグフィレット王国が近づくぐらいならばと、

国内外にさまざまな工作を行った後エレノアは王妃となった。

育った環境が環境だからだろうか。

よく見れば若かった頃はそれなりにきれいであっただろうと思われる顔立ちをしているものの、

一国の王妃としては存在感、華やかさといったものには欠けている。