空をなくしたその先に

銃声を背に、ディオはひたすら駆けた。

怖い。

恐怖心が足を動かす。

どうしてフレディはあの場にとどまっていられるのだろう。

怪我をしたというのに。

ルッツは?

ダナは?

なぜ、彼らは逃げ出さずにいられるのだろう。

ほんの一瞬前までは、自分も戦えると思っていた。

耳を弾がかすめたのなんてかすり傷にも入らない。

それなのに目覚めた恐怖心は、ディオからあの場に残るという選択肢を奪っていた。

走る。

走る。

走る。

足下が見えない中、足をもつれさせながらディオは走った。

ルッツの示した方向へひたすら。

早くビクトールたちに会えればいい。

そうすれば、皆のところへ援軍を連れて戻ることができる。

逃げ出したわけじゃない。

援軍を呼びに行くんだ。

そう言い聞かせながら、足を動かす。

木の根に足をとられた。

体勢を整えることなどできず、そのまま地面に頭からつっこむ。

銃が手から放り出される。