国王から密かに依頼を受け、
メレディアーナ号を密かに護衛していたこと。

これから、ディオを王都まで連れていくつもりであること。

ディオの持っているセンティアでの研究成果が、
何であるか知っているということまで。


「俺としては、賛成できんがな。
あまりにも危険な研究だろ?

下手したら、世界中を敵に回すことになる」

「……空賊には有効だと思うけど」

「俺たちみたいな空戦部隊にも有効だよな」

「……」

「まあ、契約を結んでいる以上主には従わなければならないからな。

あんたは無事に王都まで送り届けるさ。

今夜はこのまま俺たちの本拠地に向かうが、
補給をすませて明日の朝には出発する」


ビクトールは、グラスの残りを一気にあけた。


「帰ったら親父さんに伝えてやってくれ。

研究成果を悪用しようとしたら、俺たちはいつでも反旗を翻すとな」

「わかった」


話を終えると、
ビクトールは通話装置を開いた。