空をなくしたその先に

今まで葬儀に出席したことは何度もあるが、
不慮の死を遂げた者はいなかった。


皆、棺の中で花に囲まれて穏やかな顔を見せていた。

ファイネルの死は、ディオの知っている死とは違う。

自分の意志とは関係のないところで、無造作に強制終了させられた人生。

背中をさするようにしているダナの手の温かさも、今のディオには届かなかった。

やがてやってきた警察がファイネルの死体を車に積み込み、

その場の状況を確認しようと、フレディに質問をはじめた。

マグフィレットの有力貴族である自分を暗殺しようとしたのではないかと、

フレディはでまかせの説明を警察相手にしている。

ディオは、ダナの手をふりはらった。


「僕のせいだ……僕の」


自分がこんな研究に参加しなかったら。

失われないですんだ命がいくつあったのだろう。