「おっかえりー!」


駆け寄ってきたのは、背が高くひょろりとした青年だった。

ダナが飛び降りるのに手を貸しながらたずねる。

ついでに軽く抱きしめたように見えたのは、
ディオの気のせいだろうか。


「おかえりー、首尾は?」

「上々ね。
目的は果たしたし、二機撃墜してきた」

「聞いてる。
ビクトール様が怒っていたよ。『あいつは目的を忘れている』ってね」

にやにやしている青年とは対照的に、
甲板に足をつけたダナは顔をしかめた。


「しょうがないじゃない。
久しぶりの空だったんだから」

「で、そっちが『お宝』ね」


お宝よばわりされたディオは、目をぱちぱちさせながらベルトと悪戦苦闘していた。

ようやくはずして降りようとするのにも、
彼は手を貸してくれる。

両足で立つのは、ずいぶん久しぶりのような気がした。

メレディアーナ号を脱出してから、一時間とたっていないはずなのに。