空をなくしたその先に

「財布の中身知られるなんて、ずいぶん不用心なんじゃないの?」

「君に言われたくないよ」


たしかに不用心だったのだとは思うが、謝るのはしゃくだ。

それより、確か白兵戦には不向きだとか言っていなかったか。
もの言いたげなディオの視線をとらえて、
ダナはこともなげに肩をすくめる。


「相手が軍人ならこうはいかないわよ?

素人なのはナイフの構え方見ればわかったしね」

「いってぇ……」


ダナに腹を蹴られた方の男がようやく声をあげた。


「なあ、悪かったよ。
未遂ですんだんだし、見逃してくれないか」


ダナにナイフを突きつけられていた男が手を合わせた。

ダナは、というと。

無造作にその男を前に突き倒して、

腕を後ろで交差させ、必要以上にぎりぎりと縛り上げている。

ナイフの収納先と言えば、ブーツの中だった。


「まあ……僕たちも騒ぎは起こしたくないし……」


ディオは目を細める。