ディオは飛行服を身につけたままだが、

ダナの方は水に濡れたこともあって火のそばに広げられている。

今彼女が身につけているのは薄い服だけで、

自分が毛布を独占するのは不公平としか言いようがない。

さて、どうするか。

ぼんぼん、ぼんぼん言われるのはしゃくだが、
事実なのだからしかたない。

かといって、自分が毛布を独占するのも気がひける。

よし、と気合いを入れる。

ディオも炎を回ってダナの隣に腰をおろした。


「何?」


じろりと見られ、一瞬たじろぐ。
一呼吸おいて、ディオは言った。


「ダナは、僕のことをぼんぼんだって言うけれど」

「だから?」

「うん、実際そうなんだ。だから」


ひょいと手をのばして、ダナを自分の自分の腕の中にひっぱりこむ。


「ちょっと!何してるの!あんたバカ?」