「結局、身体が元に戻るまで一年半。
顔の方はそれからさらに四ヶ月かかったわ」
ディオの前に。
膝を抱えて座り込んだダナの話はまだ終わらない。
「毎朝鏡を見る度に、知らない人を見るような気がするの。
こんなの、あたしの顔じゃないって……。
いつになったら慣れるのかもわからない」
ディオは言葉を失っていた。
自分と同じ年頃なのに、はるかに壮絶な世界を生きてきたダナ。
そんな話をしろとせまった自分は、なんと無責任だったのだろう。
「親を亡くして、ヘクターを亡くして、自分の顔まで失って。
全てを亡くしても。
それでも。
まだ、飛びたいと思ってしまう。
どうしようもない愚か者って、あたしのことね、きっと」
くしゃりと顔がゆがんで、涙が落ちた。
ほんの一粒だけ。
それをディオは見逃さなかった。
顔の方はそれからさらに四ヶ月かかったわ」
ディオの前に。
膝を抱えて座り込んだダナの話はまだ終わらない。
「毎朝鏡を見る度に、知らない人を見るような気がするの。
こんなの、あたしの顔じゃないって……。
いつになったら慣れるのかもわからない」
ディオは言葉を失っていた。
自分と同じ年頃なのに、はるかに壮絶な世界を生きてきたダナ。
そんな話をしろとせまった自分は、なんと無責任だったのだろう。
「親を亡くして、ヘクターを亡くして、自分の顔まで失って。
全てを亡くしても。
それでも。
まだ、飛びたいと思ってしまう。
どうしようもない愚か者って、あたしのことね、きっと」
くしゃりと顔がゆがんで、涙が落ちた。
ほんの一粒だけ。
それをディオは見逃さなかった。