空をなくしたその先に

「戦闘機部隊の様子はどうだ?」

「敵をこちらによせつけないようにしてくれていますね。

今のところは、かろうじて成功しているようです」


中心となるのはダナとヘクターの乗った機体であることは、

入ってくる通信状況を分析するまでもなく容易に理解できた。

最初に空を飛んだのは五歳の時。

最初に敵を撃墜したのは十二の時。

親から譲り受けた才能を存分に彼女は、開花させている。

ヘクターと組むようになってからの撃墜数は、
それぞれが単独で出撃していた頃の倍以上となっている。

今日だって、二人は敵を圧倒して戻ってくるはずだ。


「下だけじゃない、前方にも注意しろ。

この船が落ちたら、戦闘機部隊の戻る場所がなくなるんだぞ」


ビクトールが檄を飛ばす。

敵の動きは、ただの空賊と思えないほど巧みなものだった。