今まで、幾度となく問うだけの時間はあったというのに。

投げられた問いに、答えなければならないというならば。

ディオにだって、たずねたいことは山ほどある。


「ここまで来たら……。

君にまで秘密にしておくことはないのかもしれない……でも」


ディオは言葉を切った。

本当に、この問いを口に乗せてもいいのだろうか。

足を投げ出したまま、
こちらを横目で見ているダナと目が合った。

やはり聞いておいた方がいい。
一度は閉じた口を、もう一度開く。


「僕もたずねたいことがあるんだ。

その……君とサラとヘクターとか言う人の間にあったことを」

「……」


少し意地が悪いかと思いながらディオは言った。

困ったように、ダナは首をかしげた。

そのまましばらく、ディオを見つめていたが、そのまま体勢を変えた。

膝と手を使って、這うようにディオの方へと進んでくる。