・先生サイド・

彼女の心の傷は、
俺が思っている以上に、
深かった。

君が部屋に入って、
大声を上げて泣いている
声を聞いて、
自分の心を締め付ける。

「失敗した・・・。」

1人ごとの様に呟き、
寝室で俺は座り込んだ。

今まで生きてきて、
教師として、
こんなに辛い事は、
初めての出来事だ。

妻を亡くして、
懸命に生きてきた俺は、
簡単に生死の事を、
口にして欲しくなかった。

けど自分が生まれて
来なければ良かったと
言われた瞬間に、
俺は正解と言った。

人間は生きたくても、
病気で生きれない人も
沢山いる。

だけど、
人間は誰かに頼りたい
時がある。

俺は真剣に思った。
俺に頼って欲しいと。