僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「……この辺り、だよね」


ネオンが輝く夜の街で、俺はひとり歩いていた。


未成年だと分かっているだろうに、声をかけてくる大人たちは、決して褒められたものじゃない。けれど、俺は声をかけられるたびに立ち止まる。


「闇夜の威光ってどこにいます?」


『ホストに興味ある?』と笑顔で話しかけてきた男の顔が、あからさまに引き攣る。


「お前っ……アレに何か用なのか?」

「まあ、はい」

「関わるもんじゃねぇぞ、マジで」


ぼそぼそと話す男は、俺と大して歳は離れてないように思える。


それよりも、関わらないほうがいいってことは、やっぱり大雅が言っていたことは本当なのかな。


「……たまり場とか、知りませんか?」

「たまり場なんて必要あるかよ! このネオン街一帯が、あいつ等の縄張りみたいなもんだ」


……そんなことが、ありえるの?


このネオン街一帯を、闇夜の威光が制圧してるとでも?


そのリーダーが、本当に祠稀だって言うの?