「……この辺り、だよね」
ネオンが輝く夜の街で、俺はひとり歩いていた。
未成年だと分かっているだろうに、声をかけてくる大人たちは、決して褒められたものじゃない。けれど、俺は声をかけられるたびに立ち止まる。
「闇夜の威光ってどこにいます?」
『ホストに興味ある?』と笑顔で話しかけてきた男の顔が、あからさまに引き攣る。
「お前っ……アレに何か用なのか?」
「まあ、はい」
「関わるもんじゃねぇぞ、マジで」
ぼそぼそと話す男は、俺と大して歳は離れてないように思える。
それよりも、関わらないほうがいいってことは、やっぱり大雅が言っていたことは本当なのかな。
「……たまり場とか、知りませんか?」
「たまり場なんて必要あるかよ! このネオン街一帯が、あいつ等の縄張りみたいなもんだ」
……そんなことが、ありえるの?
このネオン街一帯を、闇夜の威光が制圧してるとでも?
そのリーダーが、本当に祠稀だって言うの?



