僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「……祠稀?」

「やんなぁ!?」


道路を挟んだ反対側の歩道で、数人と歩いているのは確かに祠稀だった。


用事があるみたいだったけど、まだ終わってないのかな?


「どこに行くんだろう」


祠稀が進む先には、あまり行ったことがない。というより、何があるのかよく知らない。


そうこう考えているうちに祠稀は曲がり角に消えてしまい、あたしは首を捻る。


今日も遅くなるのかな?


「……祠稀くんって、何してるん?」


声に顔を上げると、遊志先輩は神妙な面持ちで祠稀が消えた先を見つめていた。


ザワッと、言いようのない不安が心を駆け巡る。


「わ、分かんないです」

「アカンな……大雅に聞いてみんと」


……何が? なんで、大雅先輩に聞く必要があるの?


ドクドクと鳴る心臓が苦しくて俯くと、大きな手が頭に添えられる。


見上げると、神妙な面持ちが消えた、無邪気な笑顔があった。