僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「あがー! 寒っ! もう冬ちゃうん!?」


コンビニを出ると、遊志先輩は二の腕をさする。

空にはぼんやりとした光をまとう三日月が浮かび、雲に隠れるところだった。


「はい、有須ちゃんにもあげるわぁ!」


月から遊志先輩に視線を移したはずなのに、視界いっぱいにココアがあって、思わず受け取ってしまう。


「え、あ、すみません…っ! ありがとうございます!」

「ええよええよ〜。寒いから温まらな!」


遊志先輩って、いい人なんだなぁ…。凪に、いい人だねって言ってみよう。


送ってもらったんだから、何か恩返しをしないとね。


「ほな行こ……ん?」


プルタブを立ち上げた時、遊志先輩がコンビニの前にある道路を見て声を発した。


「どうしたんですか? 道路に何かありました?」

「いや道路ちゃう! アレやアレ! 向こう側の!」

「え?」


勘違いした自分を恥ずかしく思いながら、道路の向こう側に目を凝らす。