僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「ずっと、ろくに話もせんと、ごめんな? あのことは、俺にも責任があったんに」

「ほ、ほんとにやめてください! あたしもう、気にしてませんから!」


まだ言い足りない。そんな表情の遊志先輩に、あたしは言葉を続ける。


「あの、あたし、確かに大雅先輩のやったことは許せないって思ってます。でも、謝ってくれたし……何よりも、逃げてばかりじゃいられないでしょう? あたしも、大雅先輩も、遊志先輩も」


少しだけ口角を上げると、遊志先輩は目を見開く。


それに答えるように、あたしは眉を下げた。


「聞きました、凪に。大雅先輩と遊志先輩の関係とか、生い立ち。……異母兄弟なんですよね」

「……ふはっ。ホンマ、凪には敵わへんなぁ……」


『同情しろって言ってるんじゃない。大雅のしたことは間違ってる。でも、有須には聞く権利がある』


凪はそう言って、ふたりの話をしてくれた。


聞いて、どうするのか。それは有須が決めることだって、言ってくれた。