僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



あたしの1週間は無駄だったな。


バカみたいに笑顔を作れた自分が心底嫌になる。


――ひとりになりたくない。


たったそれだけで、あたしは簡単に嘘つきになるなんて、気付きたくはなかった。できれば無意識でいたかった。


気付いたところで直せそうにはないし、寂しい人間だと否が応でも感じてしまう。


後ろ手に自室のドアを閉め、ベッドへ鞄を放り投げた。ボスッという間抜けな音を聞きながら、机の引き出しに手を伸ばす。


開けた引き出しに隙間なく入る彗からの手紙。それを1枚手に取って眺める。


薄々分かっていた。彗からの返事は、二度とこないんだと。


きっと理由がある。そう自分に言い聞かせたところで、あたしは救われない。


あたしだけでは何も変わらないから、彗を頼ったのに。助けを求めたのに。



「……役立たず」


しょせん他人との絆も思い出も、この程度だ。薄れて美化されるだけで、それにすがったほうが馬鹿を見る。


――不公平。

なんであたしだけが、こんなに苦しまなきゃいけないの。


サヤも緑夏ちゃんも幸せそうで、彗は助けてくれるどころか返事もくれない。早坂先生だってサヤに頼まれたから、あたしは患者だから一緒にいてくれるだけ。


「……なんで」


どうして誰も、あたしをいちばんに想ってくれないの。


それだけでいいのに。それだけで、あたしは幸せなのに。


よそ見しないで、あたしだけを見てほしい。求められた分だけあげるから、求めた分それ以上に愛してよ。


ねぇ、サヤ。


あなただけは、そうだと思っていたのに。


信じていた。誰よりも何よりも、あたしはいちばんにサヤを。サヤもいちばんにあたしを。


未来はふたりだけのものだと、この先ずっと、あたしとサヤはふたりで生きていくんだと。信じていたのに――…。