僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



優太のことがもう、好きじゃなくなってる。

そうじゃない。

あたしは最初から、優太など好きじゃなかった。


今、優太のことが好きかと訊かれたら、好きだと答える。だけどそれは人として、友達としてならの話だ。


漠然と、この人はあたしが好きなんだと。あたしは求められているんだと。どこかでほっとしていた。きっとそれを、恋だと勘違いして……。


何が、あたしをそうさせてしまったんだろう。


好かれることへの優越感? 単なる異性への興味? そういう気持ちがなかったわけじゃない。だけど、根本にあるものは別のもの。


――寂しかったから。求めてほしかったから。


どうして?

だって、サヤとの時間が減ったから。


……そうだよ。それが何。別にいいじゃない。


寂しいと感じて、求めてほしいと思って、何が悪いの。ふつうのこと。なんてことない。こんなの――…。


「……気のせいだよ」


気のせいに決まってる。サヤが触れた個所から熱くなるのも、サヤを考えれば惑うほど胸が温かくなるのも。


笑い合う緑夏ちゃんとサヤを思い出せば、切なさを穿って嫉妬心が芽生えるのも。


気のせい。気のせい。


だって、これじゃあまるで――…。


「違う!!」


今この家には誰もいないのに、何も聞こえないように両耳を塞ぐ。


「やだ……やめて、違う……!」


音がする。


頭の中で何かがものすごいスピードで、組み立てられる音。


分からず放置してたパズルが、核の部分を見つけただけで完成していくみたい。


――…好きだよ。

そう、当たり前じゃない。好きに決まってる。だけどそういう好きじゃない。


「……嘘だ……」



サヤのことを……男の人として、好きかもしれないなんて。