僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



そっとドアを開ける。テレビから漏れる音とふたりの声が重なり耳に入った。


……キッチンか。


ドアから数歩進めば、右手にキッチンがある。案の定進んだ先に、ふたりの姿を捉えた。


サヤがお皿を洗って、緑夏ちゃんがそれを拭いてる。楽しげに、談笑しながら家事をしてる。


たったそれだけの光景に全身が粟立った。ザワッと、足元から突風が吹いたみたいに。


クーラーとは別の冷気が、あたしの体中に纏わり付く。


「あれ? おはようっ」

「わ! 起きちゃった!?」

「あ……うん……」


二の腕をさすると、サヤが「寒い?」と言いながら手を拭って歩み寄ってくる。


寒くなんてない。


だって、胸が焦げ付いたみたいに熱い。


全身が粟立つと同時に、体の内側で爆発したような衝撃も受けた。


「凪、今日は学校休みな? やっぱり顔色よくないよ」


サヤの手が頬に触れた途端、ビクッと肩を跳ねさせてしまう。


「凪……?」

「あ、ビッ、クリした……冷たかったから……」


――違う。


これは、ずっと得体の知れなかった感情は、独占欲なんてものじゃない。


サヤと楽しげに話す緑夏ちゃんに、悋気してる。



ドロドロとした、

燃え盛るような嫉妬――…。