僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「最近凪は甘えん坊だねぇ~。まあ俺はものすごく嬉しいけどねっ!」


普段と変わらないその喋り方は、あたしを安心させた。


甘えたい。

もっと、もっと。

そばにいて。離れないで。


……寂しい。


理由も分からずただ、どうしようもなく寂しさが募るの。


優太では埋まらなかったのに、変なの。


こうやってサヤと触れるだけで、吐息を、鼓動を、体温を感じる距離にいるだけで、一瞬で寂しさが埋まるの。


……どうしてだろう。


嬉しいのに何かが引っかかって、切なさを滲ませる。





「……」


部屋を照らす陽の光に目を細め、自分が眠っていたことに気付く。


気だるい体を起こすと、なんとなくまだ朝だと感じ、時計を見ればその通りだった。


……サヤに寝かしつけられて……2時間も経ってないかな。


無意識に乱れた髪を撫でつけ、ベッドから脚を出す。


時刻は7時過ぎだから、サヤも緑夏ちゃんも起きてるはずだ。


眠りにつく前の記憶が曖昧だけど、サヤはずっとそばにいてくれた気がする。


それなのにまた、たいして眠れなかった……。いったいあたしの体はどうなってるんだろう。


のろのろと部屋からリビングへ脚を運ぶと、笑い声が聞こえた。笑ってるのだから当たり前だけど、とても楽しげな声。


横幅30センチほどのカットガラスが左右に2本並ぶデザインのドアの前で、リビングの様子を窺うけれどふたりの姿は見当たらない。