――…
「あー嘘……マジで!? ちょ、俺も行きたいんだけど! ……いやいや、何? 宿題? 俺もやってねーし、ダリー」
ありえない。
「ゲーム三昧だよなー。つーか寝不足……ははっ! あーアレ攻略難しいらしいけどー……」
夏休みも中盤に差しかかり、あたしは優太の家に来てるわけだけど、誘って来た本人は友達との電話に夢中。
テレビがあってベッドがあってアルミ棚があって。ゲームと漫画ばっかりの部屋は、退屈でしかない。
優太とやるゲームは面白いし、漫画は好きだけど、ひとりで時間潰してろ的な空気がムカつく。
夏休みで、しかも昼過ぎのテレビ番組なんてつまんないのばっかだし、興味もテレビをつける気力も湧かない。
だからこの部屋に響くのは優太の話声と、微かに聞こえる電話相手の声と、あたしの携帯が開いたり閉じたりする音。
いかにも不機嫌ですという視線を送ると、優太は手の側面を鼻に当てて“ごめん”。
ホントにそう思ってんだか。
なんてまた可愛げないことを思うけど、あたしが不機嫌なのは優太のせいだけじゃない。
先ほどから開閉される携帯に、メールか電話が来るのを待ってる。
この前また、彗の返事を待たずにあたしの携帯アドレスと番号を書いた手紙を送った。
……携帯持ってないなら、そう返事をくれたっていいのに。
「なーぎ、ごめん! そんな怒んなよ」
やっと電話が終わったのか、優太はベッドからあたしの隣に腰を下ろす。
「別に怒ってないし。メール来ないから不満だったんですー」
「……ああ、またあの彗とかいう。来ねぇだろ。俺いとことメールなんかしねぇもん」
「……」
優太っていつもこう。
少しはヤキモチ妬けばいいと思うからわざと彗のこと話すのに、いつもひと言余計だ。それが余計にあたしを不機嫌にさせる。
恋愛って、好きな人と付き合うって、こんなもんなのかとすら思うようになった。



