僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


――…


「凪ちゃん、手紙出しといたよ」

「あ、ありがと! おかえりなさい」

「うん、ただいま」


夏休みに入り、怠けた生活を送るあたしは有休で買い物へ出かけた緑夏ちゃんに、手紙を投函するよう頼んでいた。


「彗くんだっけ? 同い年のいとこ」

「うん、そー。すっごいかわいいよ、っても男の子だけど」


買って来たものを冷蔵庫にしまう姿を見ながら言うと、「似てるの?」と質問が飛んできた。


「似てる?」

「うん、えーと……社長の弟さんの息子さん? なんでしょ、彗くんって」

「ああ……いやー似てないかな。将来的には似るかもしれないけど」

「そうなんだ。会ってみたいなぁ」


会って……ないなぁ、もう3年?経つのか……。


彗からの手紙は4月と5月に1回ずつ返事が来たきり、途絶えた。


簡単に会える距離ではないから、せめて手紙だけでも続けようとふたりで決めたはずなのに。


再会した瞬間からあの頃に戻れるくらい、身近な存在であり続けたいと思っていたのは、あたしだけだったのかな。


彗にとってあたしは、もう必要ない存在なのかな。


「……とか思いながら、めげずに手紙を送るあたし」

「ん? 何?」

「あたしも彗に逢いたいなーって!」


今日出した手紙には、優太という彼氏ができたことを書いた。


少しヤキモチでも妬いてくれないかなと思いながら、もしかしたら彼女ができて返事が出せないのかなと不安になったりもして。


次出す手紙にはメルアドと番号を書こうと頭の隅で思った時、そういえば優太がメルアドがどうとか言っていたことを思い出した。


それがきっかけで、次々と今日の予定が連鎖する。