僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



――あの日、自分の中でサヤに対する独占欲があると気付いた時。


ほんの少しでいいから、素直になろうと思った。


あたしは緑夏ちゃんのことが嫌いなわけじゃないし、邪魔者扱いはしたくない。


独占欲だって消えはしないのだから、それに支配されない程度に、あたしがサヤに対して素直になればいいだけだ。


素直になればその分だけ、サヤからも温かさが返ってくる。


彗がいた時は、何も我慢するものなんてなかったし、あたしの本音を聞いてくれる彗がいれば充分だった。


だけど彗がいなくなればまた、素直じゃない可愛げのない自分に戻って。仕事で忙しいサヤの迷惑にならないように黙々と家事をこなして、ひとりで平気アピール。


そう決めたのは自分なのに、甘えてはいけないと言い聞かせていたのも自分なのに。


独占欲を感じるなんて、自分勝手もいいとこだ。



あたしはきっと、

多分、とても寂しがりで。


あたしが思ってる以上に、あたしの心は弱くて。


何かを我慢して、いつかそれが爆発してしまった時。


誰かにぶつけて、誰かを傷付けてしまったとして。


もしそれが大切な人だったら、そんなのあたしが悪いじゃない。


寂しかったとか、かまって欲しかったとか、そばにいてほしかったとか。


口にも行動にも出さずにいたくせに、我慢しきれなくて爆発したって、相手はあたしの気持ちを知らなかったんだから。


それを分かってて素直にならないなんて、馬鹿じゃないかと思った。


口に出さずとも、サヤはあたしの本音をひとつも見落とさず気付いてくれるなんて、思い上がりでしかない。