僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



――突き抜ける青空に向かって音を奏でる、初夏のみずみずしい若葉。


時間は穏やかに、けれど確実に進み、あたしにも変化と言えるべきものがあった。


「えぇっ!? 優太くんと付き合う!?」

「ぎゃあ! 声がデカい!」

「きゃーー! おめでとう!」


あたしは夏休み目前で優太と付き合うことになった。


日曜の今日、優太と遊んだ帰りに告白されて、あたしはそれを受け入れた。というより、告白されるのを今か今かと待っていた。


サヤがお風呂に入った隙に緑夏ちゃんに報告したのだけど、今の声じゃ聞こえたかもしれない。


「よかったよかったぁー! 私も嬉しいっ」


……まぁ、悪い気はしないけど。


笑顔を絶やさない緑夏ちゃんにつられていると、リビングのドアが力任せに開けられた。


「今、付き合うとかおめでとうとか良かったとか聞こえたんだけど!?」

「ちょ、服着ろとかの前に頭くらい拭いてこようよ!」


上半身裸のサヤは髪から滴を垂らしており、ちゃんと体を拭いてないことが分かる。


「誰と付き合うの!? 早くない!?」

「あーはいはい、いいから髪と体拭いて」


ソファーに座るあたしの足元に膝をついたサヤの勢いに気圧されながらも、首にかかっているタオルを取り上げた。


そのまま背後に回ったあたしを視線で追いかけてきたサヤを無視して、少し乱暴に髪を拭き始める。


「ねえ凪ぃ~、ほんとに付き合ってるの?」

「そうですー。今日同じクラスの優太に告られたんだから」


わしゃわしゃと音でも出そうなくらいサヤの髪をタオルで包むと、本人は頭を揺らして「うぅー」と唸った。


首を垂れるサヤの項や背中の水滴も拭う。肩を落とすサヤの後ろ姿が、なんだか妙におかしい。