僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「ところで、優太くんとはどうなの?」


あのカラオケの日から数日経った夜の10時。


サヤは大抵日付が変わる頃に帰ってくるから、この時間になるとあたしは緑夏ちゃんとお喋りに没頭する。


最近はもっぱら、あたしの恋愛話だ。


「えー……別に。特に何もって感じ」

「あははっ! つまんなそうな顔してる」


……そう。ちょっとつまらない。


もしかして告白されるかなーと思った自分が馬鹿らしい。だけど気のせいだと思うほど、あたしは疎くない。


「なんかさぁー、ちょっとドキドキしたのに、何ふつうにしてんの!?って感じなんだよねー」

「それってやっぱり、優太くんのこと好きなんだと思うけどなぁ」

「……そうかなぁ」

「だって、何かしてほしいんでしょ? 他の男の子と比べてどう?」


緑夏ちゃんの声も表情も、楽しげだ。

あたしは優太が嫌いなわけじゃないし、むしろ好きなほうだと思う。


他の男子と比べてみるなら、優太に何かアクションを起こされたほうが何倍も嬉しい、って答えになる。


「……うーん。これが好き、かぁ」

「不満?」


不満というより、違和感。


小学の頃に好きだなーと思う男子はいたけれど、特にその先に行くことはなかった。


今でさえ同じ中学に通って会話することはあるけど、ふつうに好きだと思う。


それ以上でもそれ以下でもないことが、友達なのかな。


でも考えてみれば、優太とはそれ以上が有りだし、それ以下なんて御免だと思う。


友達であり続けることが、あたしは嫌なのかな。だとしたらそれが、好きだということなのかな。


「……なんか、好きってもっと、ガーッ!ってなって、ワーッ!ってなるのかと思ってた」

「あははっ! ……んー、でも恋の仕方なんて人それぞれじゃない? ゆっくり気持ちが育って、ふとした瞬間に気付くとかも有るんじゃないかな」


言って優しく笑う緑夏ちゃんは、そういう恋をしたのかな。