僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



『……凪、あの……あたしたちも……いるからね?』

『もっと頼れよ。寂しくなったら、俺らがいんだろーが』


『……うん。そうだね』


頼られてなかった。信じられてなかった。


そんなの、俺と有須がバカみたいじゃねぇかよ。


こっちは全開で心開いても、お前らはふたりして俺らを拒否してた。そんな虚しいことが、他にあるかよ。


「……彗、お前言ったよな。俺が、お前らには関係ねぇって言った時、“俺たちは、祠稀の何?”って。……そっくりそのまま返してやるよ」


俺を見つめていた彗が、眉を寄せる。


……分かってんだ。分かってても、腹が立つんだよ。


「その次の日も、廊下で上級生をボコってた俺に言ったよな? 俺の首に手ぇ置いて、一瞬だけ力込めて。凪に止められたけど、覚えてんだろ。俺の首絞めようとした後だよ」


ギュッ、と。


俺の腕を掴んだまま、そこへ顔を埋めてる有須が手に力を込める。


僅かに首を振る仕草が、言葉の代わりに「やめて」と言っていた。

それでも俺は眉を寄せる彗に言い放つ。



「嫌いになりそうだ」

「……」

「あん時の俺もおかしくなってたけど。彗、お前だってそうだろ。俺の首に手を置いた時、何考えてた? 誰のこと、考えてたんだよ」

「……」


言えよ。たったひと言じゃねぇか。


凪のことを考えてたって。


俺を止めるためじゃない。凪が傷付くから、キレたんだろ。凪を傷付けたから、嫌いになりそうだったんだろ。


彗は眉間に深くシワを刻み込んで、押し黙る。俺はそれに盛大な溜め息をついて、額に手をやった。