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「……眠った?」
凪を俺のベッドに寝かせて部屋を出ると、有須のか細い声に頷く。
凪がどこに眠剤を置いているか分からないから、念のため俺の部屋に連れていった。目が覚めても、変な気を起こさないように。
「……何から、話そうか」
凪に噛まれて傷付いた指を撫でながら、カーペットに座るふたりに微笑む。
「……全部だよ」
怒鳴られるか、殴られるか。どちらも覚悟していたのに、祠稀は意外にも冷静だった。
その心の奥底は分からないけれど、理解しようと必死なのは分かる。
でもきっと頭ではわかっても、受け入れられない。それを分かっているからこそ、俺は凪と一緒に嘘をついた。
「どっから嘘で、どこまで本当なんだよ……。よく考えりゃ颯輔さんも、りょっかさん?も……お前の親父だって、年齢おかしいだろ」
騙されたとか、嘘つきとか、思われてるんだろうな。……もっとも、全てが嘘だったわけじゃないけど。
俺と凪は、有須と祠稀の勘違いを、利用しただけだ。
短く息を吐いて、ふたりから離れて座る。横長のテーブルを挟み、壁を作るように向かい合った。
「……じゃあ、俺の家族の話を先にしとく。俺の父さんは颯輔さんの弟。1個違いだから、俺が生まれた時の父さんの年齢は15歳。ちなみに母さんは20歳。家庭教師と、生徒の関係だったって颯輔さんに聞いた」
驚く? なんて聞かなくても、一般的にはよくない印象だろう。
今の時代でこそ非難されることは多いだろうに、今から15年前はもっと、そんなこと許されなかった思う。



