僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ






「サヤ、忘れ物したでしょ」






――ああ、クソ女。


アンタのせいで、全てが水の泡だ。






「あ、あぁ! 凪にあげようと思ってたやつ!」

「必死に選んでたのに、忘れてくんだもん」



――……笑え。



「直接、サヤが渡したほうがいいと思って」



――笑え。



「うわー! ありがとうっ」



――笑え!!