「サヤ、忘れ物したでしょ」 ――ああ、クソ女。 アンタのせいで、全てが水の泡だ。 「あ、あぁ! 凪にあげようと思ってたやつ!」 「必死に選んでたのに、忘れてくんだもん」 ――……笑え。 「直接、サヤが渡したほうがいいと思って」 ――笑え。 「うわー! ありがとうっ」 ――笑え!!