「……名前を呼んでほしいだけでしょ、サヤ?」
そう口の端を上げると、あたしの体を軽々と持ち上げ、自分の膝に下ろすサヤ。
向かい合う形になると、キスをしてる間にブレザーを脱がされる。
まるでカーディガンなんて最初からないみたいに、ブラウス越しに胸を揉みしだかれ、唇の隙間からくぐもった声が漏れる。
理性なんてものはもう皆無に等しい。それどころか、必要ですらない。
ブラウスのボタンを中途半端に外されて、手を差し込まれたとこで唇が離れる。
ゴツゴツした指が胸の突起に触れて、首筋、鎖骨に移動する舌に、冷えていた体が急速に熱を持つ。
「……っ、サヤ……」
「すごいな……どんどん溢れてくる」
卑猥な言葉を耳元で囁かれ、車内に粘着質な音が響く。
言わないでとお願いしても、どうせもっと意地悪なことをされるんだ。
そうは思っても、いつも以上に過敏になってる自分の体に思考はうまく働かず、ただ嬌声を上げるしかなかった。
スカートを腰までたくし上げられ、外気に晒された太腿から這い上がるように、ゾクゾクと全身に鳥肌が立つ。
寒さにか、これからに期待したからか。答えはどちらもだ。
薄い布越しに触れていた指が、脇から滑り込んできた。
ビクッと体を揺らすと、くすりと笑う艶のある声。強引に入り込んできた指はためらうことなく侵入してくる。
「……や、ぁっああ」
快感に耐えられず腰を引くと、大きく開いた太腿の間に、グラインドする手が見えた。



