僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



◆Side:祠稀


「ありえねぇ……」


分厚い雲がどこまでも広がる空。蒼ひとつ見えない空が好きだったはずなのに、黒くもない灰色の空は気分を重くさせる。


深い溜め息をつくと、「さぁっぶぅ~!」と、呑気で耳触りな声が頭上から響く。


不愉快から顔を上げると、これまたイラッとするオレンジ色のちょんまげが揺れていた。


「じっとしてられねぇのかよ、バカ遊志!」

「あはは。祠稀くんにまでバカって言われちゃ、いよいよ終わったね遊志」

「ちょお、なんなん!? この寒空の下、先輩が呼び出しに応じたっちゅーに、その態度!」


知るか。お前のどの辺りが先輩らしいのか1文字で言ってみろ。


フンッと顔を背けて煙草を取り出すと「きぃ~!」とか、本当うるせぇ。


4時間目の授業が始まる直前、俺は遊志を呼び出し、なぜか着いてきた大雅と共に屋上にいた。


「ていうか俺らを呼び出したのも、不機嫌な理由も。どうせ凪ちゃん絡みでしょ?」


寒さひとつ感じませんと言った表情で、大雅は正解を引き当てる。


屋上のフェンスに寄りかかる俺は、ギシギシと音が鳴るほど、さらにフェンスへ全体重を預けた。


「つうか、テメェのことは呼んでねぇし」


フーッと、わざと紫煙を大雅の顔に吐き出すと、張り付くような笑顔に亀裂が入る。