「はいはい! 起きろー!」
音が出るほど勢いがあったものだから、俺は大袈裟に肩を跳ねさせてしまって、声の主である祠稀を見てしまう。
……あ、まずいかも。
ぼんやりそう思ったのは、祠稀が俺と凪の状況を見て目を見張ったから。
多分、服を着てなかったら確実に行為後だと思われる体勢だと、さすがの俺でも分かる。
「わー。恋人みたい」
「黙れチカ。いつまで寝てんだよ、バカ彗」
バカって言葉に、やけに棘があったよ祠稀……。
俺は仕方なく左手を支えに上半身を起こし、ぐっすり眠ってる凪の顔に影を落とす。
「……凪。朝だよ」
フッと目を開けた凪。
顔を覗き見る俺を見上げた虚ろな瞳に、「あ」と思った。
「ふたりとも起きた? 朝ご飯でき……」
凪の両腕が首に絡み付くと同時に、有須の声にならない声が聞こえた気がした。
「……」
凪と自分の体を起こし、離れない凪の背中に手を添える。
変わった空気にドアのほうを見遣ると、有須の強張った表情が目に焼き付いた。
俺はすぐに目を逸らし、朝らしからぬ、どんよりとした空気を体中に感じる。
それでもあやすように凪の背中をぽんぽんと叩きながら、「おはよう」と囁いた。
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