「チカにあんなこと言っちゃ、ダメだよ」
「……ふふっ。ね、ちょっとおかしくなってた」
サヤに何か言われたのかな。
電話もきっとサヤからだったんだろう。
「あたし最近、見境なさ過ぎるかも」
「……俺がいるのに?」
そう言うと、胸にうずくまる凪がくすくすと笑う。
「彗は別次元だもん。ずっとあったかい」
ああ、ほら。
まただ。
ズッシリと感じる、束縛のような重さ。
こうやって凪は俺に依存してることを示して、俺を手放そうとしない。
重い。重くて、重くて、堪らない。
でも、ちっとも嫌じゃない。俺だって、同じ気持ちだから。
凪が俺の存在は別次元だと言うように、俺もそうだから。
返事の代わりにぎゅっと抱き締めると、凪も左手を俺の背中に回してきた。
秒針の音と、互いの心音が溶ける。それが子守唄となって、意識は深下層へと落ちていった。



