僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


―――――…


「あたし壁側がいい」

「んー」


チカと祠稀のゲームをしてはしゃぐ声がドアの向こうから聞こえる夜12時。


俺の部屋には上下黒いルームウェアに着替えた凪の姿があった。


もぞもぞと布団に潜り込む凪を見てから、部屋の電気を消す。


「こんな早くに布団入るの久しぶり」


真っ暗な部屋をぼんやりと照らすブルーライトを点けると、凪が寝そべった状態で頬杖をついている。


俺は特に返事をせず、立ったままメールを確認するく。未読メールはやっぱりサヤからで、凪とは仲良くやってるかという、なんてことないメールだった。


携帯を充電器に差し込むと、凪が布団を半分捲ってくれる。


開いたスペースに腰かけ脚を布団に入れた瞬間、細い腕が腰に巻き付いてきた。


「……腕、挟んじゃうから。頭上げて」


腰に巻き付いた両腕を解いて寝転がると、凪が僅かに上げた頭の下に左腕を滑り込ませる。


くすぐったい感触のあと、少しの重さが腕に加わった。


開いた右手で布団を体へかけ、そのまま包むように凪を抱き締める。


「……彗の匂いがする」


寒さを感じないようにピッタリと体を寄せてくる凪の声は、リビングで騒ぐチカと祠稀の声に掻き消されそうなほど小さかった。