「逃げるために不幸だからなんて言葉使わないで! 誰にも何も言わないで、ひとりで抱え込んでっ、答えなんか出ないくせにっ……誰にも頼らない人が、自分は不幸だなんて言わないでよ!!」
ハァッと、息を吐く。大声を出したからなのか、頭がクラクラする。
伝わってほしい。伝わればいい。
チカや、威光の仲間だけじゃない。あたしも、彗も有須もいるってことを。
祠稀は黙ったあたしに、ゆっくりと覆っていた顔を見せる。
――お願い、祠稀。
言って欲しいの。伝えてほしいの。苦しいと、つらいと。
助けて、と。
「友達ごっこはもうたくさんだ……」
ああ、ダメだった。
そう思わなかったのは、祠稀の声があまりにも弱々しくて、泣きそうな表情をしていたから。
「……ごっこの何が悪いのよ」
あたしまで泣きそうになる。
いいじゃん。
友達ごっこで。
この場から走って逃げることは簡単なのに。そうしないのは、祠稀も分かってるからでしょう?
祠稀がいくら拒絶しても、あたしは本物だと言い張るよ。



