僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「復讐のためにヒカリさんの意思を継いだけど、チカや威光の仲間と過ごしていくうちに、守りたいものが、大事なものが増えたんでしょ。

最初は仮面を被っていただけなのに、本当に守ってあげたいと思うようになったんでしょう?

だけどそれじゃ復讐はできない。祠稀の復讐は、間違えれば警察に捕まるから。そしたら、チカたちを見捨てるのと同じことで。どっちも選べなかったんでしょう」


追い詰めるように、責め立てるように、聞こえただろうか。


どちらでもないことを分かってほしいけれど、きっと祠稀には届かない。


「……うっせぇな。じゃあ何? どうしろって?」


首を傾げて嘲笑うようにあたしを見る瞳には、この世界がどんな風に映ってるんだろう。


「聞かせろよ。お前がどう想像するかは自由だけど。お前だったら、その状況になった時どうするのか。なぁ、凪」


あの頃、入学してすぐの頃、分からなかったこと。3年生のトップを潰した祠稀は、何に怯えていたんだろうと思った。


自分の力を、支配力を見せつけるようなことをして。何者にも、自分の邪魔はさせないとでも言うように。


あたしは、祠稀が大雅に言った言葉が本当だと思ってるよ。


「……復讐はしない。守りたいものだけ、守る」

「……ハッ。だと思った」


吐き捨てるように笑われても、祠稀のあたしを見る目がひどく冷たくても、物怖じなんかしない。