「復讐のためにヒカリさんの意思を継いだけど、チカや威光の仲間と過ごしていくうちに、守りたいものが、大事なものが増えたんでしょ。
最初は仮面を被っていただけなのに、本当に守ってあげたいと思うようになったんでしょう?
だけどそれじゃ復讐はできない。祠稀の復讐は、間違えれば警察に捕まるから。そしたら、チカたちを見捨てるのと同じことで。どっちも選べなかったんでしょう」
追い詰めるように、責め立てるように、聞こえただろうか。
どちらでもないことを分かってほしいけれど、きっと祠稀には届かない。
「……うっせぇな。じゃあ何? どうしろって?」
首を傾げて嘲笑うようにあたしを見る瞳には、この世界がどんな風に映ってるんだろう。
「聞かせろよ。お前がどう想像するかは自由だけど。お前だったら、その状況になった時どうするのか。なぁ、凪」
あの頃、入学してすぐの頃、分からなかったこと。3年生のトップを潰した祠稀は、何に怯えていたんだろうと思った。
自分の力を、支配力を見せつけるようなことをして。何者にも、自分の邪魔はさせないとでも言うように。
あたしは、祠稀が大雅に言った言葉が本当だと思ってるよ。
「……復讐はしない。守りたいものだけ、守る」
「……ハッ。だと思った」
吐き捨てるように笑われても、祠稀のあたしを見る目がひどく冷たくても、物怖じなんかしない。



