僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「ははっ。何言ってんの? 大丈夫か、凪」


いつも笑う。
どんな時も、いかなる時でも。


興味なさそうにしておいて、広い心を持って人に接して。強い者を挫き、弱い者を助ける。


祠稀は本心で、自分の意思でしてると思う。だけど祠稀は悩んでるんでしょう?


本心ではないと、本心であると。復讐か、威光か。葛藤して、悩んで、でも答えなんて出なくて。


「しんどいからやめるの? 考えること」


ほんの2メートルほどしか離れてない、あたしと祠稀。でもきっと、祠稀はこれくらいがちょうどいいんだ。


遠すぎず、近すぎず。
浅くはなくとも、深くはない関係。


祠稀は、そのほうがいいんでしょう? そのほうが、楽なんでしょう?


「それって逃げてるだけじゃん」

「……は? 俺が、逃げてる?」


祠稀が苛立つのが分かったけれど、あたしは少しづつ距離を縮める。ゆっくり、でも確実に。


「守るものができて何が悪いの?」


近付くあたしを、祠稀はもともと切れ長の瞳を細めて睨んでくる。それとも、あたしの心の中でも読もうとしてるんだろうか。


そんなことできっこないと分かっているからこそ、あたしは口に出せる。


怒りをぶつけられても、嫌われても。あたしは、あたしが信じた道を進もう。そう、決めたから。