僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



制服姿で夜の街を歩くのはマズイんじゃないかと思ったけれど、そうでもないみたいだった。


まだ7時を回った頃だからかな。


でも時たま感じる品定めするような視線は勘弁してほしい。



「……あれ。けっこう外れに来ちゃったかな」


今まで探していた場所とは反対方向に探しに来たら、なんだか薄暗い場所に来てしまった。


決して暗いわけではないけど先ほどまでいた場所が異様に明るかったから、そう思うだけかもしれない。


所狭しと並ぶ店と、それを彩る灯りはこの場所にはなく、ちらほらと店はあるものの、そこまで栄えてないという印象を受けた。


もう使われていないのだろう煤けたビルや、今まで見受けられなかった木々も所々に存在して、少し不気味とさえ思う。


「いないかなぁ……。もう、ホントにどこ行っ……!」


急に椛が目の前に落ちてきて、思わず肩を跳ねさせてしまった。


音もなく地面に落ちた椛を見下ろし、空を振り仰ぐ。