僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「……な、何?」


涙目のチカの頭を彗がぽんぽんと叩いた。その無表情な行為に思わず笑みを零してしまう。


あたしは抱き締められるほうが多いけれど、大丈夫だと言ってるんだ。チカに、そして、あたしにも。


微笑む彗にあたしも笑い返して、チカにも笑みを向けた。


「チカ。そのことは直接、祠稀に言ったほうがいいよ」


きっと、きっと、嬉しいと思うから。



「……じゃあ、まずは手分けして探そう。チカは威光のメンバーに俺たちのことを話しておいて。それから、俺らは先生に見つからないように。捕まったら面倒だから」


彗が携帯で時間を確認しながら言って、あたしも同じように自分の携帯を見た。


「1時間も見回りすれば終わると思うけど、そのままここで飲み会しないとは言い切れないよね」

「祠稀を見つけたら? 声かける前に知らせたほうがいいの?」


チカはフードを被り直しながら、威光のメンバーに送るメールを考えているようだった。


問いかけられた彗は少し間を置いて、頷く。