僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



感覚も、音も、感情も、表情も失くして、生きた屍そのものだった。


ただ、毎晩、毎晩。

静かに涙だけは流して、夜が明ける。暗翳を裂くような太陽が昇るたび、祈った。


自分で死ぬことが許されないのなら、誰かに殺されることを。


俺のちっぽけな命で、赦されるわけでも、赦されたいわけでもなかった。


分かっているからこそ、苦痛で、重かった。


俺が生きてて、ヒカリのように誰かの道標になれるわけでも、希望に、光になれるわけじゃないのに。


誰も、何も守れず。
覚悟もできないのに。


こんな俺を、ヒカリ以外の誰が、愛してくれるんだ。



――ゴッ!!


「もう2ヵ月もこの調子だぞ。いい加減にしろ、クズ」


……アレ? 俺……あ、部屋か。

今、朝? 夜?


「死んだような目付きをして。その状態で学校に行けると思うのか」


……誰だっけ……。何か言ってる。聞こえねぇけど。


「ヒカリと言う奴が死んだのが、そんなに悲しいわけであるまい」


……ヒカリ?って、言ったか? 今……。

こいつ、なんて言ってんだ。


「たかが半年ほどの関係の人間に、何をそんなに執着する。……ああ、ヒカリもお前と同じで、クズだからか? 似たもの同士で仲良くしてたらしいな」

「――…」


無音だった世界に、音が戻ってくる。常に朦朧としていた意識が、取り戻されていく。


それと同時に、親父だとはっきり分かる厭な笑顔が視界に映った。