僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「俺も詳しくは知らねぇけど、裏カジノとか運営してるとかって。それに連動させて、闇金もどうとか……警察がだぜ? とんでもねぇよな」


ろくでもねぇの間違いだろと思いながら、視力は変わらないのに目を細めて、屋上を見上げ続ける。


フェンスに寄りかかってたヒカリが不意に消えて、言いようのない不安に襲われた。


「……ヒカリ……」


大丈夫なのか。
本当に、大丈夫なのかよ。


何か、何かが、危ない気がするのは、俺だけか?


親父が忠告を無視して、警察なんかに届けたのが、俺に恐怖を植え付けたんだろうか。


でも、ヒカリが守ると言ってくれた。ヒカリなら、大丈夫だと思うのに。


なんだ、コレ。この、気持ち。


天野が裏カジノと並行して闇金もやってて、いくらヒカリだからって、危なくないはずがないと、思ってるから?


違う。親父の執着っぷりに、まだビビってるだけじゃないのか、俺は。


……違う、違う。何か忘れてないか――……。


「祠稀? おい……顔、真っ青だぞ」


その声に、見るべきなのはリュウだったのに。視界の端にリュウがいるだけで、俺の視界の中心に移ったのは、黒いセダンだった。


その瞬間、背筋が凍って。


鋭いナイフにでも一突きされたみたいに、心臓が止まったかと思った。