僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「しっかし遅ぇな……ってもまだ、30分くらいか」


リュウが4本目の煙草に火を点けて、落ち着いては見えるけど、内心不安なんだろうと感じた。


俺はもう一度、窓ガラス越しの先に目を凝らす。


ビルの傍には頼りない木々が立ち、邪魔くさく思いながら、下から上を覗くように見上げた。5階にのみ電気が点いていたのは分かるけれど、中を覗けるわけではない。


その事実にもどかしくなって、ビルから目を離そうとした時だった。よく知る屋上に、人影らしきものが見えたのは。


「!?」


バンッと音を立ててガラスに手を付くと、何事かとリュウが名前を呼んでくる。


「何? 何か見えたのか?」

「屋上に……」


間違いない。屋上に来ると、フェンスに寄りかかるのがヒカリの癖だ。


このフェンスはボロいだの言いながら背中を預けて、肘を付きながら街を見下ろすのが好きなんだ。


見上げた先に、本当に小さいけど、フェンスに寄りかかる人影が確かに在る。


なんで屋上なんかに……。


「あー……あれヒカリか? こりゃマジで、天野と1対1で話してんな」


ユナが俺の後ろから覗こうとしているけど、見えないだろう。俺も、避けてやる余裕はなかった。


「天野って人……何してるの?」


ユナが口にした人物は見えないかと目を凝らすが、その姿は確認できない。その間に、リュウが天野について話し出す。